ベニス(イタリア)、2022年6月24日

  • 中小企業(SME)のエネルギー効率(EE)および環境・社会・ガバナンス(ESG)実績に関し、透明性ある厳密な評価への標準化されたアプローチを目的に設立され、EUが資金提供を行うTranspArEEnSプロジェクトが、CRIFとの独占的データ収集を開始
  • 欧州の全企業の約99%を占めるSMEや、銀行および保険機関、事業者団体がすでにプロジェクトの第1、第2期に注目
  • EEESGに関する、また近年のエネルギーと地政学的な非常事態に関する追加項目を含む、SME向けの標準化された定性・定量アンケートを策定

       欧州のTranspArEEnSプロジェクトは、第3段階が始動

TranspArEEnsは、EUが資金提供を行う30か月のプロジェクトです。中小企業のEE(エネルギー効率)とESG(環境・社会・ガバナンス)に関する情報の収集・分析のための標準化された定性的・定量的枠組の策定と、サステナブルな融資に関する、EUテクニカルエキスパートグループ(TEG)により欧州レベルでの指標と推奨事項に沿って標準化されたEE-ESG格付けの提供を目的としています。

欧州の全企業の99%がSMEであることを考慮すると、本プロジェクトには戦略的な妥当性があります。ESGに関する質問は、特にエネルギー効率の分野においてサステナビリティに関する自社の潜在的可能性を理解、検討する上で、すべての中小企業の大きな関心事項となっています。

「過去12か月間、私たちはESGファクターの分析のため、上場企業のデータ収集から始まる、対象を絞った極めて慎重なプロセスを進めてきました。ヴェネツィア・カフォスカリ大学と、ESG問題の専門家やエキスパートを市場に供給するというニーズの増加を反映した初のサステナブル融資専攻の修士課程に対するこれら企業の長期的な協力のもと、私たちは彼らに関する詳細な知識を得ています。プロジェクト普及活動は多くの関心を集め、Loriana Pelizzon教授を調整役とするLeibniz Institute for Financial Research SAFEのチームが優れた活動を実施してきました。これをもとに、CRIFと協力して、参加企業にとって多大な付加価値のある高度なリファレンスモジュールが開発されました。これが今、実用化されようとしています」と、TranspArEEnSのコーディネーターであるカフォスカリ大学のMonica Billio教授は述べています。

現在起こっている大きな変化と予想されうる顕在的・潜在的リスクのいずれをも包括するビジョンのもと、本プロジェクトの非常に画期的なアプローチにより、標準化された一連のインジケータをESG基準としてもっとも妥当なものとするアンケートの策定と定義が実現しました。 

2017年には、欧州委員会の資金提供を受けて欧州カバードボンド会議(EMF-ECBC)により組織された、初の欧州高エネルギー効率住宅ローンを定義するためのEnergy Efficient Mortages Initiative(高エネルギー効率住宅ローンイニシアチブ)プロジェクトにも協力しました。弊社の資産とESGエキスパートとしての年月を経済システムに活用し、TranspArEEnSプロジェクトに貢献できることを喜ばしく思います。私たちはこの問題の推進者であり、企業や融資関係者、機関など多様なマーケットプレーヤーが、エネルギー効率とESG基準に関する情報の共有・周知を促進する欧州レベルの標準評価モデルを理解することの重要性を理解しています。これは上場企業に限らず、中小企業も含まれます」と、CRIFイタリアのマネージングディレクター、Marco Colomboは述べています。特にSMEセクターでは、環境・社会・ガバナンスの問題はいまだ周知段階にあるため、質・量ともに完全な全体像を把握するために良質な情報を得られること、そしてそれにアクセスができることが欠かせません。この点に関し、CRIFは、透明性と協働性を中心に据えたグローバルなSynESGyプラットフォームを提供しています。一方では企業の倫理的基準にもとづくコーポーレート管理への移行とサステナビリティに向けた変革の開始を奨励、推進し、他方では融資当事者と企業向けに、自身のエネルギー効率とより全般的なサステナビリティのレベルを理解するために不可欠なツールを提供します。

SynESGyプラットフォームは、グローバル・レポーティング・イニシアティブ、国連グローバル・コンパクト、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト、タクソノミ作成ガイドラインをはじめとする国際サステナビリティ基準にもとづき、最新のセキュリティ技術に従って開発されました。